お客さまの声|顔が見える原料をずっと探していた(Lond代表石田さま)

アフリカシアバターの第一号のお客さまである株式会社Lond。事業開始直後、実績も何もないアフリカシアバターのシアバターを、オリジナルプロダクトのトリートメントへの配合に選んでくださった理由は何なのか?その理由を、Lond代表の石田吉信さまにお聞きしました!

インタビューに答えてくださったLond石田さま

ーまずは事業内容を教えてください

主に美容室を経営しています。2023年7月現在、国内外で全国60店舗を展開しており、従業員は約430名が在籍しています。2013年に会社を設立、23年8月3日に10周年を迎えます。

パーパスは「働き手が仕事を通じて幸せになりその働き手が愛のある価値を周りへ提供していくこと」。美容業界は、一部偏見もありますが「雇用環境の悪さ」が課題のひとつです。

第一号店であるLond 銀座店

美容は家業から企業に変化した業界ではありますが、それでも「スタッフファースト」で、そのスタッフの幸福の追求、例えば法遵守の労働環境や正社員教育の充実などが重要だと考えています。僕らは専門学校の同級生6人と起業しましたが、自分たちが雇用されていた時に感じた「ない方がいいこと」をなくしていきました。

Lond代表 左から三番目が石田氏

その他、LondオリジナルプロダクトをOEM会社とともに製作しています。例えば、今回御社のシアバターを配合*したRelance (リランス)シャンプートリートメントや、全国ロフト・ハンズなどに取り扱いがあるグロスバームなどがあります。
*アフリカシアバターのシアバターは「リランス1.2 プラントベーストリートメント300g」に配合されています

また、アイラッシュサロン2店舗や、飲食と着物オーダーメイドのcafe & bae callに共同出資しています。

弊社のシアバターが配合されたトリートメント(右)

ーこれまでの商品開発では、どのように原料をお選びでしたか?

サステナビリティーの文脈で「トレーサビリティーやライフサイクルアセスメントを基準に選びたい」といつも考え、OEM会社にもそれを伝えていました。しかし、プロダクトを作る時に工場の方々と話しても、その先にサプライヤー、その先に原料メーカーなので、構造上仲介業者が多く、原料の詳細を知るのは難しいのが現状でした。

エシカルな海外のサプライヤーも存在しており、そこから仕入れている原料もありますが、海外の会社なので、どうしても又聞きになってしまいます。大企業であれば、自社の畑を持っていて、トレーサビリティーを追うことはできるかもしれませんが、私たちの規模ではそれはできません。

結果的に、どの地域のどの畑でどんな人々が作っているのか、知ることが難しいのです。自分たちのプロダクトなのに、です。本当は追いたいのに追えないもどかしさが、ずっとありました。

Relance (リランス)イメージ

ーなぜアフリカシアバターを選んでいただいたのですか?

御社のシアバター、アフリカシアバターは明確に「顔が見える」と感じたからです。その原料を使うことで「誰の役に立っているのか」がわかる実感があります。正直「顔が見える」という観点で、他の原料会社と比較することはできないんです。と言うのも、そもそも「顔が見える」原料の選択肢が、僕らの目の前にない。

一緒にプロダクト制作に取り組む工場やサプライヤーの方々にとっては、サステナビリティーに関する多くのことが初耳、逆に「勉強になります」と言われることも多いですね。化粧品業界の工場やサプライヤーも、サステナビリティーに対するリテラシーがまだ低い、というのが日本の現状だと思います。

だから、アフリカシアバター代表の原口さんからお話を聞いた時に「選ばない理由はない」と思い、すぐに原料として配合しようと決め、動き出しました。

Relance (リランス)ロゴ

もう一つ「実感がある」という意味では、僕たちはSDGsに真剣に取り組んでいますが、日本にいると、SDGsのゴール1「貧困をなくそう」やゴール2「飢餓をなくそう」ということが、グローバルすぎて「何ができるかわからない」という感覚になるんです。

でも、僕たちの事業の中で「オリジナルプロダクトを作る」というのは通常業務の普通のことですよね。そのプロダクトの中に、貧困を解決できる原料を入れられる。

そうすると、自然にSDGsのゴールが仕事の中に統合されSDGsへの導線ができる。そういう自然な仕事の中で実感がある、ということが一番いい形だと思うんです。

Relance (リランス)トリートメント

ー実際に配合して何か問題はありましたか?

従来のオリジナルプロダクトの中にもシアバターが配合されており、それを切り替える形でサンプル制作をしましたが、品質には全く問題はなかったですね。

実際に商品開発にも関わったスタッフにも使ってもらいましたが、これまでの通りの品質でした。僕たちとしては、切り替えはとてもスムーズだった印象です。

商品開発にご協力いただいたOEM会社の株式会社ナンバースリー

今後アフリカシアバターとどんな取り組みをしたいですか?

たくさんありますね!たくさんです!

まずは、トリートメントに配合させてもらいましたが、新しいプロダクトという形でバームにも配合したいと考えています。その上で、取引量を安定的に増やしていきたいですね。テロの影響を受ける女性たちの生活が安定すること、子どもたちが教育や医療を受けるために、重要なことだと考えています。

Londにメッセージを送るパートナーの女性組合 

もう一つは、ステークホルダーである工場やサプライヤーなど、製品制作に関わる方々に、社会活動を知って欲しい、と思っています。日本国内の中で、そういう啓発活動をしていきたいです。原料を生産する人々のこと、ライフサイクルアセスメントのこと、児童労働や環境問題のこと。

そういったリテラシーを上げることで「もっと取引したい」と思う会社を日本国内で増やせると思います。アフリカシアバターのシアバターを配合することで、自社だけでなく業界の変革の可能性を感じました。やりたいことが増え、ワクワクしています。

パートナーの女性組合にLondのサステナブルマガジンをお届け 

ー他の企業さまへのメッセージはありますか?

世界はひとつに繋がっている、と感じています。日本の自給率が低く、多くの資源の価格が高騰していること、紛争などの先進国と途上国の関係性、私たちは今、多くの課題に直面しています。

その多くは「無関心」から起きているのではないか、と私は考えています。環境問題、人権問題、などそれらは無関心でいても、無関係ではいられません。

アフリカシアバターは、意義のあるシアバターだと思います。そのシアバターを選ぶことでテロの影響を受けた女性たちを助けることができる。ぜひ多くの方々に知ってもらいたいと思っています。

Lond
銀座を中心に国内外60店舗美容サロン(主に美容室)を展開。SDGsにも積極的に取り組み、イギリスヴィーガン協会の認証を取得したオリジナルプロダクト(シャンプー等)なども販売。社会問題を発信するLond Mediaなども発信している。
■会社名:株式会社Lond
■代表:石田 吉信、甲斐 紀行、小林 瑞歩、斉藤 信太郎、長岡 宏晃、吉田 牧人
■住所:東京都中央区銀座2-8-19 FPG links GINZA 2F
■公式サイト:https://www.lond.jp/
■公式サイト サステナビリティーサイト:https://www.lond.jp/recruit/sustainablilty-csr/
■Lond Media 公式Instagram:https://www.instagram.com/lond_media/
■Lond リランス公式Instagram:https://instagram.com/relance_haircare?igshid=YzcxN2Q2NzY0OA==
アフリカシアバター
ブルキナファソが原産国のシアバター専門ブランド。サステナブル・エシカルなシア脂の仕入製造販売(法人向けBtoB)。オーガニックコスメブランド・化粧品ブランド・美容室などを対象に、スキンケア・ボディケア・ヘアケアなどのオリジナルプロダクトへの配合実績あり。シアバターを配合したレザーケアクリームのOEM企画も展開。
■会社名:ボーダレス・ブルキナファソ
■代表:原口 瑛子
■住所:BP 2621 OUAGA C.N.T, Ouagadougou, Burkina Faso
■公式サイト:https://africa-shea-butter.com/
■公式Instagram:https://www.instagram.com/africa_shea_butter/

関連記事

TOP