こんにちは。アフリカシアバターの原口です。ブルキナファソの現地の景色をお届けする、現地だより。
近年、日常的に耳にするようになった「サステナビリティー」という言葉。今回は、ブルキナファソでの伝統的なシアバターづくりとサステナビリティーについて現地の様子をお伝えします。ぜひお楽しみください!
そもそもサステナビリティーとは?
サステナビリティー(Sustainability)とは、みなさんもご存知の通り「持続可能性」を意味します。1987年「環境と開発に関する世界委員会」の報告書「Our Common Future」の中心的な考え方として「持続可能な開発」という概念が取り上げられ、このサステナビリティーという言葉が普及したと言われています。その中で「持続可能」とはこのように定義されていました。
「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことを言うとされている。この概念は、環境と開発を互いに反するものではなく共存し得るものとしてとらえ、環境保全を考慮した節度ある開発が重要であるという考えに立つもの(中略)。
外務省HPより引用
さらに、より多くの方々に認知されたのは、2015年に採択されたSDGs (Sustainable Development Goals : 持続可能な開発目標)。SDGsは、2030年までの持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17の目標と169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。
(SDGsや化粧品業界のサステナビリティーについては、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください)
シアの木からの木漏れ日
天然資源のシアの木
シアバターの原料となるシアの木は、持続可能な天然資源とされています。
シアの木は、パーム油の原料となるヤシの木のように、プランテーションで同じ場所に同じ木が多く生育されているわけではなく、国土の至るところに点在して自生しています。シアの木は、約20年ほどで果実をつけ、約200年以上も生き続けると言われています。
ブルキナファソのシアの木
一度植えられた木からは、毎年継続的にシアの実を収穫できます。木になっている実を収穫するのではなく、成熟して地面に落ちた実を収穫します。そのため、シアの実は、森林伐採を伴わない再生可能な資源とも言えます。
シアの果実を収穫する様子
環境負荷の少ないシアバター製造
シアの果実の収穫からシアバターの搾油まで、ほとんどの製造プロセスを、現地の女性たちが手作業で行っています。現地で何百年も継承されてきた伝統的な製造方法では、ほとんど機械を使わないため、エネルギー消費が少なく、環境への負荷が多くありません。
また、未精製シアバターの製造では化学薬品を一切使用せず、自然な方法で油分を抽出するため、製造や廃棄においても、環境への負荷を最小限に抑えられると考えられます。
シアバターを作る女性
製造工程で出る廃棄物の再利用も
今回の現地だよりで特にご紹介したいのは、製造工程に出るシアの実や残渣(ざんさ)物について。残渣物とは、濾過などをした後に残りかすのようなもの。本来、廃棄される残渣物は、工場で保管・乾燥させ、次のシアバターを作る際の、燃料として再利用(リユース)されています。
保管されるシアの実や残渣物
次の写真の茶色いポロポロとした固形物が、本来廃棄物となるシアの実や残渣物。シアバターはオイルなので、もちろんシアの実や残渣物にも油分が含まれており、燃料に適していると考えられます。
シアの実や残渣物
シアバターの伝統的な製造方法には、シアの実を煎ったり、シアバターを煮たりする工程がありますが、その際にこちらの採用された燃料もあわせて活用されます。
(シアバターの製造方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください)
シアバターを煮る過程
真のサステナビリティーとは
化粧品業界や美容業界で、サステナビリティーを実現しようとする時、フェアトレード認証やヴィーガン認証、オーガニック認証などのあらゆる認証は、お客さまが安心してご購入できるひとつの理由になると考えています。
同時に、原産国であるブルキナファソの伝統的な製造方法でシアバターを作る女性たちをずっと見ていると、今のように資源、電気や燃料が十分になかった頃から、何百年も継承されてきた「自然とともに生きる知恵」の中に、真のサステナビリティーがあるのではないか、とも考えるようになりました。
「人間の営みによって環境負荷があるかどうか」を考えるのではなく「人間が自然の一部として自然とともに生きる知恵」。これこそが、Our Common Futureにある「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような」概念ではないか、と考えています。
もし、化粧品ブランドさまやOEM企画製造会社さまなどで、ブルキナファソで作られたアフリカシアバターにご関心がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせからご相談くださいませ。
※現地だよりは見聞録も含まれるため、正式名称などが異なる場合があります。
アフリカシアバター
ブルキナファソが原産国のシアバター専門ブランド。サステナブル・エシカルなシア脂の仕入製造販売(法人向けBtoB)。オーガニックコスメブランド・化粧品ブランド・美容室などを対象に、スキンケア・ボディケア・ヘアケアなどのオリジナルプロダクトへの配合実績あり。シアバターを配合したレザーケアクリームのOEM企画も展開。
■会社名:ボーダレス・ブルキナファソ
■代表:原口 瑛子
■住所:BP 2621 OUAGA C.N.T, Ouagadougou, Burkina Faso
■公式サイト:https://africa-shea-butter.com/
■公式Instagram:https://www.instagram.com/africa_shea_butter/