スキンケア・ボディケア・ヘアケアなど、多くの化粧品に配合されるシアバター。そんなシアバターを調べてみると、よく出てくる言葉が「精製」と「未精製」という言葉。そもそも「精製」って何なのか?精製と未精製の違いを徹底解説します!
シアバターとは?
シアバターは、シアの木の種子から抽出された100%植物性のオーガニックオイルです。現地では、食品にも用いられるほか、古くから薬用の軟膏や関節炎の治療など医薬品、肌や髪への化粧品などに用いられていました。また、赤ちゃんの保湿や傷の治療、紫外線防止などにも使われています。
シアバターは、正式にはシア脂と呼ばれ、油脂(オイル)の一つです。化粧品に配合される油脂の中でも、脂肪酸構成が皮脂に類似しており、ステアリン酸とオレイン酸が豊富に含まれています。そのため、保湿力が高く持続する、と考えられています。

自生しているシアの木
シアバターの精製とは?
シアバターの伝統的な製造方法(搾油方法)には、多くの工程があります(工程を詳しく知りたい方はこちらの記事へ)。その搾油の後に「精製」という工程があるかないかが、「精製」と「未精製」の違いです。

伝統的なシアバターづくり
少し専門的になりますが、油脂の精製は、通常「脱ガム」「脱酸」「脱臭」「脱色」などの工程があります。
●「脱ガム」:原料に含まれる油脂以外の成分(リン脂質)などを取り除きます。精製工程で脱臭・脱色が元に戻ることを防ぐためです。
●「脱酸」:遊離脂肪酸を取り除きます。遊離脂肪酸が多いと加水分解を促進・遊離脂肪酸を増加させるため、その連鎖を阻止して酸化を防ぐためです。
●「脱臭」「脱色」:言葉の通り、香りをなくして、色をなくします。
精製と未精製の違い
精製と未精製のわかりやすい違いは「香り」と「色味」です。以下の写真でわかるように、精製シアバターは、白くて無臭です。一方で、未精製シアバターはクリーム色で独自の香りがします。
日本で化粧品の一種として、流通しているシアバターの多くは、白くて無臭の精製シアバターです。みなさんが手に取ったことがあるバームも、精製シアバターが多いかもしれません。
一方で、未精製のシアバターは白〜黄色のクリーム色で、毎年色が異なります。香りを表現することは難しいですが、未精製シアバターを香りを嗅いだ経験がある方には「木の香り」「葉っぱの香り」「木の実の香り」「ローストの香り」など、自然本来の香りや製造工程での特徴で表現される方が多い印象です。

未精製と精製の色味の違い
油脂の特徴(テクスチャーなど)は、主に脂肪酸の構成によって異なりますが、基本的に精製・未精製では脂肪酸構成に、大きな変化はありません。一方で、精製によってあらゆる成分が精製されるため、シアバターに微量に含まれている成分は、失われる可能性があります。
精製シアバターと未精製シアバターに、優劣はなくお好みで選べます。例えば、化粧品への配合や効率を考える場合は、精製シアバターを選ぶ方が多いと思います。一方で、自然本来の香りや色味を生かしたい、オーガニックなプロダクトを作りたい、という場合は、未精製シアバターを選ぶ方が多いと思います。
イメージは、白砂糖を選ぶか黒砂糖を選ぶか。個人や法人の嗜好やニーズで選ぶように、精製シアバターも未精製シアバターも、お好みでお選びいただけます。

未精製と精製の色味の違い
アフリアシアバターのシアバターは未精製
女性の雇用創出を目的とした”アフリカシアバター”のシアバターは、現在「未精製」のシアバターを取り扱っています。長い歴史の中で継承された現地の伝統的なものづくりを尊重し、可能な限りオーガニックでサステナブルでエシカルな原料を目指しているからです。
SDGs対応の原料をオリジナルプロダクトに配合したい場合や、ブランドのお客さまからのニーズがある場合は、ぜひアフリカシアバターにお気軽にお問合せください。
