こんにちは。アフリカシアバターの原口です。ブルキナファソの現地の景色をお届けする、現地だより。
今回はシアバターの元となるシアの木の情報に合わせ、ブルキナファソでのシアバターの伝統的な作り方についてお届けします。果たしてどんな製造方法でシアバターを作っているのか?ぜひお楽しみください。
お客さまへの発送を待つシアバター
シアの木
シアの木は、アフリカの乾燥サバンナ地域のみで自生する木。シアの木が自生する地域をシアベルトといい、ブルキナは国土のほとんどがそのシアベルトに覆われています。
ブルキナファソとシアベルト
プランテーションのように同じ場所に同じ木が多く生育されているわけではなく、国土の至るところに点在しているシアの木。
最初の実がなるまで約20年かかり、約200年実がなり続けると言われています。ブルキナファソにとってシアは貴重な資源で、農地を開拓する時にもシアの木は伐採しないそうです。
雨季のシアの木
ブルキナファソは、6〜9月が雨季で10月〜5月が乾季ですが、シアの木には、乾季の1〜2月頃にクリーム色の花が咲きます。
花が咲くシアの木
雨季の4〜8月頃に、緑色の実がなります。約8cmほどの卵型。現地ではフルーツとして食べられており、食感はアボカド、香りは甘みが強いですが、味はひかえめな甘さです。
実のなるシアの木
ちなみに、どんな甘みかをよく聞いていただくのですが、日本人は慣れ親しんでない味なので、好き嫌いがわかれるフルーツかもしれません。
実は原口も初めて自分で購入したシアの実を食べた時には少し苦手でした。ですが、サポネで採れたてのシアの実をもらって食べた時に、初めて「おいしい」と感動したことを覚えています。
シアの実
シアの種(シアナッツ)は、茶色でかたいツヤのある殻がついており、その中に胚(シアカーネル)が入っています。その殻は片手で割ろうと思っても割れる硬さではありません。
シアの種
シアカーネルは、モフモフした皮に覆われ、その中には白色で水分と脂肪分が含まれています。その脂肪分をもとにシアバターが作られるのです。
シアナッツとシアカーネル
シアバターの伝統的な作り方
近年では、シアナッツの状態で第三国に輸出され、工業的に搾油されるシアバターも存在します。大量生産ができて安定的・効率的に搾油ができるのが特徴です。
一方で、アフリカシアバターでは現地の女性たちが代々継承してきた伝統的な製造方法を継承しています。その製造法をお伝えしたいと思います。
1. 洗う (Wash)
まずは、採取したシアカーネルを水で丁寧に洗い、しっかりと汚れを取ります。
洗う様子
2. 乾燥させる(Dry)
水で洗ったシアカーネルを、天日干しします。この時点で質の悪いシアカーネルは黒くなるので取り除きます。
天日干しする様子
3. 粉砕する(Crush)
天日干ししたシアカーネルを、機械で粉砕します。以前はこの作業は手作業だったようですが、女性の負荷が大きいので、現在は機械で行います。
シアカーネルを機械に入れる様子
粉砕したシアカーネル
4. 炒る(Roast)
粉砕したシアカーネルをコーヒーのように焙煎します。ガッタンゴットンと回しながら焙煎をします。焙煎することで、油分を分離しやすくします。
焙煎する様子
焙煎したシアカーネル
5. 挽く(Mill)
焙煎したシアカーネルを機械で挽きます。こちらの作業も以前は手作業だったようですが、女性の負荷が大きいので、現在は機械で行なっています。
シアカーネルを機械で挽く様子
挽いたシアカーネル
6. 水を加え練る(Mix)
水やぬるま湯を加えて、ペーストにします。そのペーストを手で練っていきます。何度も何度も丁寧に練ります。手で感触を確かめ、量を調整しながら、水を加えます。
水を加えて練る様子
練ったシアカーネル
7.乳化させる(Emulsify)
水と油が混ざり合い、色が次第に白くなり、シアバターが乳化します。
乳化した様子
乳化させたシアバターに冷水を入れると油分が分離して、ホイップクリームのように浮き上がります。プクプクと浮き上がり、フワフワとした感触です。
分離した様子
9. すくいとる(Skim off)
浮き上がった油分だけをすくい、水を入れた別の器に移していきます。この時点では殻などが混ざっているため、何度かその作業を繰り返します。
すいくとった様子
10. 煮る(Boil)
すくった油分を煮立て水分を飛ばすと、殻などの不純物は下に沈みます。上層の油分のみをすくってさらに煮詰め、純度を上げていきます。
煮る様子
11. 濾す(Filter)
さらに殻などの不純物を取り除くため、フィルターで濾過します。
濾す様子
12. 充填する(Fill)
充填する様子
容器や真空パックに充填・梱包します。そして、お客さまのもとに大切にお届けします。
シアバターの製造方法は、いかがだったでしょうか?彼女たちが、祖母、母、娘と世代を超えて継承してきた製造方法を継承し、ものづくりの歴史と誇りを次世代に繋ぎます。
※動画も追加してYoutubeにアップしました
※現地便りは見聞録も含まれるため、正式名称などが異なる場合があります。
アフリカシアバター
ブルキナファソが原産国のシアバター専門ブランド。サステナブル・エシカルなシア脂の仕入製造販売(法人向けBtoB)。オーガニックコスメブランド・化粧品ブランド・美容室などを対象に、スキンケア・ボディケア・ヘアケアなどのオリジナルプロダクトへの配合実績あり。シアバターを配合したレザーケアクリームのOEM企画も展開。
■会社名:ボーダレス・ブルキナファソ
■代表:原口 瑛子
■住所:BP 2621 OUAGA C.N.T, Ouagadougou, Burkina Faso
■公式サイト:https://africa-shea-butter.com/
■公式Instagram:https://www.instagram.com/africa_shea_butter/